お夏清十郎物語 お夏は、姫路の米問屋但馬屋の当主、九右衛門の妹です。 世間から、京の島原の太夫を上まわる、と讃えられたほど、その美しさは言うにおよばず。 十六ながら、すでに匂うように艶やかな女っぽい娘だったので、降るほどの縁談も、相手の姿かたちをより好みして袖にしつづけていました。 この但馬屋へ、同じ播磨の室津から、清十郎という男が奉公に上がって来ます。 ……………(仮)