播磨の冬の味覚といえば『牡蠣』です。
牡蠣といえば三陸や広島と思われがちですが、今、東京の一流料亭で使われているのは、ここ播磨で採れる『一年牡蠣』です。
通常、牡蠣は二年から三年で成長し、出荷されますが、播磨の牡蠣は、わずか一年で成長します。その理由は播磨の豊かな山々の森林にあります。ブナ、トチ、ミズキなどの広葉樹の原生林で培われた栄養分が千種川や揖保川といった河川で運ばれ、播磨灘に注ぎ込みます。この豊かな栄養分を食べた牡蠣は、わずか一年で出荷できる大きさに育つのです。こうした栄養分を蓄えたその身は加熱しても縮まず、産卵をしたことがないため牡蠣独特の臭みがありません。
ですから播磨の牡蠣は生で食べても当然おいしいのですが、加熱してもあのプリプリした食感が残ります。姫路に冬にいらした際には、この『一年牡蠣』をぜひともご賞味ください。