姫路御城廻侍屋舗新絵図

姫路御城廻侍屋舗新絵図
姫路市立城郭研究室
慶安二年(1649年)〜寛文七年(1667年)

姫路御城廻侍屋舗新絵図 姫路市立城郭研究室 慶安二年〜寛文七年
姫路御城廻侍屋舗新絵図
姫路市立城郭研究室
慶安二年〜寛文七年
姫路御城廻侍屋敷新絵図(解説)
姫路御城廻侍屋敷新絵図(解説)

榊原家旧蔵図のうち絵図が収められた袋書からすると第一次榊原時代の城下町絵図であろう。色彩が丁寧に施されていることから藩士用の絵図とみられる。本図は作成された時期には、すでに姫路城下町全体の整備がほぼ完了したことが、この絵図から看取できる。
内曲輪の描写は省略され、そこに貼紙で城下の侍屋敷軒数を記している。この軒数は「姫路之城図」(寛文7年以降)に記された数値に一致している。袋書にはまた「外御城絵図入」とも、本来は本図とセットとなる内曲輪だけを描いた城絵図があったと考えられる。
細部では、北勢隠門と埋門の二重櫓、れノ櫓が描かれていない。とくに北勢隠門の櫓については「姫路城之図」(慶安2年~寛文7年)にも描かれてないので、第一次榊原時代にはまだこれらの櫓は築かれていなかったのであろう。また本図では中之門を「大手門」と記している。中之門を「大手門」としている絵図は、現段階では第一次榊原時代の絵図およびその写しに限られる。(姫路城絵図集)